くまの素(くまのもと)は玉名・荒尾・山鹿・菊池の観光、日帰り・立ち寄り・宿泊温泉、ランチ、グルメ、おみやげ情報が満載

「「今の心」と書いて念。「心」がなくてはいい刀は生まれません。」刀工 松永源六郎さん

熊本県北の宝もんバックナンバー

熊本県北が誇れる、こだわりのものづくりを紹介するコーナー。今回は「刀工 松永源六郎さん」です。

職人の技と武士の気迫で、日本刀の美と向き合う
職人の技と武士の気迫で、日本刀の美と向き合う 松永源六郎さん

薄暗い工房で、一振り一振りに魂を込めて小槌(こづち)を下ろす、熊本県荒尾市在住の刀工・松永源六郎さん。刀工(とうこう)とは刀剣(主に日本刀)を作ることを本職とする者をいい、刀鍛冶(かたなかじ)、刀匠(とうしょう)、鍛人(かぬち)、鍛師(かなち)などとも呼ばれます。

松永さんは、日本古来のたたら製鉄法を用い、火力の強い松炭などを燃やした火床(ほど)と呼ばれる炉で、1400℃まで熱した真っ赤な玉鋼(たまはがね)を鍛えているのです。小鎚でたたいては板状に伸ばして折り畳む、この「折り返し鍛錬」と、伸ばした鋼(はがね)をたたいて形を整える「火づくり」を繰り返すことで、強く美しい刀へと仕上げていきます。

「折り返し鍛錬」では折り畳む時に鋼が折れてしまうこともあるため、とても神経を使います。また、高温の鉄の塊(かたまり)をたたくという作業には、ヤケドやケガがつきもの。「半年に1度は腰を痛めるし、左目の視力は火花によって失ったんですよ」と、松永さんは語ります。刀の美を引き出すための鍛錬は、荒行にも近い過酷なものなのです。

刀工 松永源六郎さん刀工 松永源六郎さん刀工 松永源六郎さん

「念」

刀鍛冶の仕事には強靭な精神力が求められます。「刀は“武士の魂”。念を込めて一心不乱に集中しないと作れないんです」と、松永さん。「今の心」と書いて念。雑念を払い、今ここだけに集中するため、昔、工房は女人禁制で、お祓いをしてから仕事にとりかかったそうです。工房の入り口に掲げられた「念」の文字と、要所要所に張られた注連縄(しめなわ)が、ここが神聖で特別な場所であることを物語っています。

松永さんは、小さい頃から、剣道有段者の父親が大切にしていた見事な日本刀のコレクションを見ながら育ちました。自分でも剣道、柔道、居合道をたしなみ、中学生の時には、なんと本物の刀で右手のつけ根を切り、9針も縫ったという武勇伝の持ち主。やがて、どうしても刀工になりたくてサラリーマンを辞め、今は亡き熊本の刀匠・川村清さんに弟子入り。5年の修行を経て、30歳で独立したそうです。

日本刀は、強さや切れ味といった武器としての実用性以上に、その美しさが重要視されます。そのため、作刀の技は伝統工芸に位置づけられ、文化庁によって、5年の修行と実技試験が義務付けられます。心身ともに潔白健全と認められた者にしか刀工の資格は与えられないのです。

松永さんが刀工になって30年余。今まで世に送り出した刀は1000本を数えます。「1000年先まで家宝として受け継がれ、後世に残るような作品を作りたい」と、松永さん。どんなに探求しても満足することはなく、毎日が修行。そんな気持ちで刀と向き合ってきて、「これからも変わらず刀と向き合っていく」と、強い決意を語ってくれました。

工房の見学や古武道の体験はおすすめです。熊本観光の際にはぜひお立ち寄りください。

「小岱流斬試源清会」の創始者
松永さんは、武士道精神の習得に励み日本刀による斬試(ざんし)を行う古武道「小岱流斬試源清会」の創始者でもあり、弟子には外国人の若者も多い。
刀匠名:源六郎清継
良く鍛えられ美しい刃紋を見せる、刀匠名:源六郎清継の銘の入った日本刀。
お問い合わせ
松永日本刀剣鍛錬所/古武道小岱流斬試源清会
〒864-0000 熊本県荒尾市大和区9班ノ3 TEL:0968-68-2250
※工房では日本刀の注文も受けています。「その人に合った刀を作るには、会って様々な話を聞くべきだ」という信念から作り置きは1本もなく、注文はすべて直接会って受けるようにしています。
※また、随時、工房の見学や古武道の体験も受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

近隣のサポーター店

ページトップへ